◆第125話:社内プロジェクトがなぜうまくいかないのか? ~つまずくところはいつも一緒~

 

「南澤さん、社内プロジェクトって、なぜか途中でグダグダになってしまうことが多いんですよね…」―――これは、ある経営者の何気ない一言でした。

 

新しい取り組みとしてスタートしたはずなのに、最初の勢いはどこへやら。

気づけば進捗が止まり、いつの間にか話題にも上らなくなる。

似たような経験をお持ちの方も、少なくないのではないでしょうか。

 

一般的に、メンバーが限定され、期間が決まっており、条件も毎回異なるものは「プロジェクト」として扱われます。

 

企業活動の中では、イベントのように多くのステークホルダーを巻き込むものもあれば、特定の目的を達成するための社内プロジェクトも数多く存在します。

 

ところが、この「社内プロジェクト」。

うまくいくものもあれば、なぜか途中で停滞してしまうものもあります。

 

冒頭の経営者のように、スタート時は意気込んでいたものの、いつの間にか自然消滅してしまうケースも珍しくありません。

 

毎回条件が異なるプロジェクトではありますが、実は、つまずく原因は毎回まったく違うようでいて、よく見ると「ほぼ同じところ」でつまずいていることが多いのです。

 

南澤がこれまで多くの現場を見てきた中で、社内プロジェクトがうまくいかない要因は、主に次の3つに集約されます。

① 目的・目標・ゴールが不明確、または共有されていない

② 計画が十分に練られていない(役割分担が曖昧など)

③ スタート後の進捗管理が機能していない

毎回やることは違っても、失敗の構造は驚くほど似通っています。

 

たとえば①。

目的や目標に対する認識が、メンバーごとにズレていれば、うまくいかないのは当然です。

 

にもかかわらず、現実にはこのズレが頻繁に起こります。

よくあるのが、スタート時の「キックオフミーティング」が、単なる説明会で終わってしまっているケースです。

 

本来、キックオフの役割は、目的やゴールの認識をすり合わせ、ズレを潰すことにあります。

ところが説明する側が話して終わり、理解度の確認や認識合わせが不十分なまま進んでしまうのです。通常業務でさえ、目的や目標を浸透させるのは簡単ではありません。

  

毎日顔を合わせるとは限らないプロジェクトにおいて、ここを曖昧にしたまま進めれば、ズレが拡大するのは自然な流れです。

 

②の計画段階も同様です。

実行内容を細分化し、役割や手順を整理しないままスタートすると、手戻りや後出しの作業が増えます。

 

その結果、「また仕事が増えた」「聞いていなかった」といった不満が生まれ、モチベーションが下がっていきます。

 

実は、プロジェクトは上流工程でほぼ決まります。

この段階でしっかり計画が練られていれば、中流・下流工程が大きく崩れる可能性はかなり低くなります。リスクの想定や対処を含め、事前にどこまで詰められるかが重要です。

 

そして③の進捗管理。

これも非常に多い落とし穴です。

 

スタートしたものの、「やりっぱなし」「放置状態」になってしまう。

品質・コスト・納期、関係者との調整、メンバーの動き。

プロジェクトでは、同時に多くの要素を管理する必要があります。

 

トラブルは、大きくなってから知るのでは遅すぎます。

小さなズレが生じた段階で把握し、軌道修正することが欠かせません。

 

さらに、実行段階で見落とされがちなのが「事前の根回し」です。

社内プロジェクトにおいて、この根回しは想像以上に重要です。

 

多くの施策は、プロジェクトメンバーだけでは完結しません。

最終的には、他部署や関係者の協力が必要になります。

 

にもかかわらず、事前に何も知らされず、決定事項だけを後から伝えられると、人は協力的になりにくいものです。

 

実際に、南澤も会社員時代に施策を実行しようとしたものの、部門の壁を乗り越えられない、関係者の協力を得られないといった場面を数多く見聞きしてきました。

 

カーディーラーであれば、営業側で決めたことがサービス側の協力を得られない、逆もしかりです。会社内であれば、多くの部門が絡むので事前の根回しは不可欠となります。

 

事前に一言あるかないか。

それだけで、実行の難易度は大きく変わります。

 

こうして見ると、社内プロジェクトでつまずくポイントは、だいたい決まっています。

そして実は、これはプロジェクト特有の話ではありません。

 

目的や目標の共有。

計画と役割分担の明確化。

進捗管理。

 

これらは、日常業務にもそのまま当てはまるものです。

貴社には、この流れで仕事が進む「仕組み」はありますか?

それとも、個人の頑張りに委ねられていないでしょうか。

 

プロジェクトの成否は、能力の問題ではなく、設計と運用の問題であることがほとんどです。

今一度、自社の進め方を振り返ってみてはいかがでしょうか。

著:南澤博史

◆音声でお楽しみいただけるポッドキャストのご案内

 ▶ ポッドキャストはこちらから(※Spotifyアプリが必要になります)
→ https://open.spotify.com/episode/22YvugvRADKHgJXMRXvUHy?si=-9pXFJhMREm9L4wqW-crHA