第6話:「分岐点」の重要性

 

「南澤さん、先日の創業セミナーで『損益分岐点』が重要だと教えられたのですが、会計に詳しくない私は、正直、恥ずかしながら十分理解しきれていないんです。」ーーーこれはあるイベントで隣に座った新進気鋭の経営者からの率直な一言でした。

 

実は、「損益分岐点」に関する疑問や不明点を抱える経営者は多く、特に、会計の知識が浅い方々は、この概念を一筋縄で理解するのは難しいものです。

 

「損益分岐点」は、企業が黒字か赤字かを示す境界、すなわち「分岐点」となる非常に重要な指標です。この「分岐点」を正確に把握し、固定費を適切に管理することで、企業の財務健全性をコントロールできるわけです。

 

本来なら「赤字」の部分も、固定費を削減すれば、同じ売上でも「黒字」に転じる可能性があります。コントロールできるという意味では、比較的対処しやすい「分岐点」と言えるでしょう。

 

しかし、経営においては、このように数値だけで判断できる「分岐点」だけでなく、予測が難しい判断の「分岐点」も多く存在します。特定の方針を取るか、新しい事業展開を進めるかどうか。その都度の判断が、企業の運命を大きく左右することになります。

 

こうした決断の場面では、過去の経験や知識が大きく影響します。多くの経験を積めば、より正確な判断が可能となる反面、それに頼りすぎると、新しい可能性や変革のチャンスを見逃してしまうリスクもあります。

 

経営の現場では、情報をしっかりと収集し、それを基に意思決定を行うことが求められます。ただし、ただ集めた情報に基づいて決断を下すだけではなく、時には直感を頼りにして、迅速な意思決定が求められます。

 

問題は、判断を先延ばしにして、結局何も決断しないまま時間だけが過ぎてしまうこと。このような状況は、経営において最も避けるべきリスクの一つです。

 

このような経営の「分岐点」での決断は、業種を問わず、多くの経営者が直面します。情報の収集と適切な分析、そして果敢な行動が、経営の未来を左右します。

 

例えば、飲食店の運営で考えると、メニューを無駄に増やしすぎることは、コストの増加や運営の複雑化を招きます。顧客にとっての選択肢が増えることは良いかもしれませんが、サービスの質が低下するリスクも無視できません。

 

「損益分岐点」に話を戻すと、一般的にコントロールできるのは「固定費」などの費用です。ただ、削減には限界があり、過度な削減は逆に業績を低下させる可能性があるため、注意が必要です。

 

過度な削減は避けつつ、売上自体をどう増やしていくか、その戦略が重要です。この「売上高」の部分に焦点を当てることで、コントロールの範囲を広げることができます。その具体策が「先行受注」です。

 

我々が推進する「先行受注」を積み増す戦略を採用することで、コントロールできる領域をさらに拡大できます。もちろん、売上の全てをコントロールすることは難しいですが、もともとコントロールができないと思っていた領域が、できるようになるインパクトは大変に大きく、競争力を一層強化することができます。

 

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