第5話:「先行受注」と「予約」の違い

 

「南澤さん、『先行受注』と『予約』、これらの違いは何ですか?」ーーーこれは、私が「先行受注」について話し始めてから、頻繁に寄せられる質問です。

 

一見、どちらも将来の取引を確保する手段として類似しているように見えますが、実際には大きく異なる要素が多いです。これには、目的、主導権、そして確約度といった面が影響しています。

 

特に、「先行受注」には、”独占感”や”特権感”といった心理的要素が組み込まれる場合が多く、これが「予約」と比較して、より主体的な戦略が展開されます。

 

通常、「先行受注」は新製品や限定版、特別なキャンペーンなどに活用されます。その目的は、多くの場合、商品・サービス提供者が市場の反応を把握したり、生産量を調整したりするためです。この性質上、「先行受注」は大概、売り手主導で行われます。

 

一方、「予約」は買い手が主導するケースが多いです。これは特に在庫切れのリスクがある人気商品や、特定の日時にサービスを利用したい場合に活用されます。商品やサービスが既に市場に存在する、または近日中にリリースされるものに対して行われる場合が多いです。

 

確約度の面でも両者は大きく異なります。「先行受注」では、キャンセルが困難なケースや、特定の条件がつくことが多いです。このような厳格なルールによって、企業は生産計画や在庫管理を効率的に実施できます。

 

逆に、「予約」では、キャンセルポリシーが比較的柔軟です。特定の期限までにキャンセルすればペナルティも発生しないことが一般的です。

 

このような特性から、「先行受注」は高度な計画性と確約度が求められます。一方、「予約」は比較的気軽に行えるため、顧客には選択の余地が広がります。

 

心理的な要素でも大きな違いが見られます。「先行受注」では、企業側が主体的に行動することで、顧客に”独占感”や”特権感”を与え、商品やサービスへの関心を高めます。これは新製品に限らず適用されます。

 

対照的に、「予約」は、“安心感”や“確実性”が前面に出ます。それが顧客の商品やサービスへの信頼を深める要因となります。

 

このような「先行受注」と「予約」の違いを戦略的に活用することで、売上向上と中長期の収益増加が見込めます。両者の特性を知った上で、活動することが重要になります。

 

我々が提唱する「ストック型営業」では、「先行受注」の増加が重要な戦略の一つです。単なる「予約」に留まらず、「先行受注」を意図的かつ計画的に増やすことで、事業の飛躍的な成長を狙います。

 

「先行受注」を積み増すことで、読める販売、読める経営が可能になるなど、様々な効果をもたらします。貴社も「ストック型営業」の仕組みを導入し、「先行受注」を積極的に増やし、共に成長を目指しませんか?

 

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