第16話:営業担当者が変わると売れる理由

 

「南澤さん、営業担当者の配置換えをしたのですが、どうやら上手くいったようです。初月から順調に売上が伸びています」ーーーこれは、とあるカーディーラーの営業部長の言葉です。

 

なんでも、成績が低迷していた営業スタッフを、あたかもトレードのような形で配置換えをしたそうです。そして、思惑通り初月からお互いに売上が伸びているということです。

 

このような配置換えによる人事異動は、カーディーラーでは比較的多く行われており、実際に、私自身そのような事例をこれまで多く見てきました。必ずといっていいほど、このような異動直後に売上が伸びます。

 

実は、このような現象は一般的で、異動後にスタッフの売り上げが共に伸びるケースは珍しくありません。この背景にはいくつかの要因が存在します。

 

一つは、スタッフ自身が新しい環境となることで、新たな意欲を持って仕事に取り組むことです。新たな挑戦という状況は、多くの場合、モチベーションの向上につながり、その結果、営業活動が活発化します。

 

そして、営業量が増加することによって、必然的に売り上げが伸びます。営業の成果は、営業量に大きく左右されますので、前向きに取り組む姿勢はプラスの成果を生み出します。しかし、異動が必ずしもモチベーションを向上させるわけではないため、注意が必要です。

 

もう一つの重要な要因は、新しい担当者による異なる顧客層へのアプローチです。新担当者は、前任者が見過ごしていた顧客のニーズや関心を発見し、それに応えることで新たな商談を生み出すことがあります。これまで接点のなかった顧客へのアプローチは、未開拓の需要を創出します。

 

また、前任者の固定観念で、売れないと決めつけていて接点を持たなかった顧客に対しても新担当者は先入観を持たずにアプローチできる点もあげられます。

 

さらに、顧客との関係性の変化も重要なポイントです。新しい担当者との関係構築により、顧客の信頼感が高まり、結果として売上が増加することもあります。特に、前任者との相性が悪かった顧客にとっては、新たな関係構築の機会となり得ます。

 

このように、前任者が固定観念でアプローチをしなかった顧客や、相性が悪く避けていた顧客などに対して、積極的に働きかけをすることで需要を創出します。そして、そのような顧客が複数現れることで受注が一時的に伸びるのです。

 

しかし、注意が必要なのは、このような売り上げの増加が一時的なものであることが多いという点です。多くの場合、数か月から半年程度でその効果は薄れ、元の売り上げレベルに戻ることが一般的です。

 

結局のところ、一時的な売上の伸びは、継続的な成功には直結しません。中長期的な視点での戦略立案が不可欠です。新しい営業担当者の導入は、短期的な効果にとどまることが多く、中長期的な成果を生むためには継続的な顧客関係の構築が不可欠です

 

そのためには、一時的な売上増加を目指すのではなく、未接触の顧客層を開拓し、良好な関係を構築できる仕組みや人材育成を行うことが重要です。そして、営業チーム全体のスキルアップと顧客との持続的な関係構築に注力することで、短期的な成功におさまらず、持続可能な成長を実現することができます。

 

重要なのは、営業活動が偏らないように、営業担当者に全て任せるのではなく仕組みとして回す必要があります。そうすれば、異動による活性化による一時的な売上増加に頼る必要もありません。

 

最終的に営業担当者の異動は、単に短期的な売上向上手段としてではなく、組織全体の成長戦略の一環として考えるべきです。

 

当社が推進する「ストック型営業」の仕組みでは、貴社の状況に合わせて、中長期的な視点での戦略立案をお手伝いします。その上で様々な仕組みを導入します。

 

短期的な売上ではなく、持続的な売上向上のためには、人材育成や新規顧客の開拓、顧客との関係性強化のための様々な仕組みが欠かせません。

 

貴社では、短期的な視点ではなく、中長期的な視点で戦略を立てていますか?営業担当者が直面する可能性のある課題に対して、どのようなサポートを提供していますか?