第11話:「ストック型営業」と「フロー型営業」の違い②

 

「ストック型」と「フロー型営業」の基本的な違いについては、こちらで詳しく解説しています。→https://minamisawa-consulting.jp/column/%e3%83%86%e3%82%b9%e3%83%88/

 
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「南澤さん、ストック型営業とフロー型営業で、使用する「営業ツール」は異なるのですか?」ーーーこの問いは、あるセミナーで経営者の方から投げかけられたものです。

 

営業活動において、使用するツールはターゲット顧客やその目的に応じて変わりますが、その核となる考え方は「ストック型営業」と「フロー型営業」では根本的に異なります。

 

例えば、「チラシ」という営業ツールを考えたとき、新規顧客向けと既存顧客向けでは作成の方針を分けることが最も効果的です。その理由は、それぞれの顧客層が求める情報や訴求するべきポイントが異なるからです。

 

新規顧客には会社や商品の基本的な魅力を伝える内容が必要であり、既存顧客には深い関係性を築くための情報や新しい提案が求められます。もちろん、業種・業界により状況は異なりますが、根本的なアプローチとしては有効な分け方です。

 

「フロー型営業」はその性質上、短期的な成果を最優先し、ターゲットとなる見込み客への迅速なアプローチに集中するのを特徴とします。しかしながら、この手法では一度見送った顧客や購入時期が先の見込み客を見過ごしやすいです。

 

一つの典型的な事例としては、「営業スタッフが延期になった案件を放置しがちである」といったことです。そのような顧客に対して定期的にアプローチするシステムが欠如している場合が多いです。

 

一方、「ストック型営業」では、こうした「将来性のある顧客」も大切にし、定期的なフォローアップや情報提供を通じて、顧客との関係を長期にわたり維持することを目指します。そして、顧客が購入を決断するタイミングになった時には、すでにしっかりとした信頼関係が築かれているため、確実な成果につながるのです。

 

このように、どの情報を長期的に「ストック」として蓄積し、どの情報を「フロー」として日々の営業活動に活用するのかは、営業成果に直結します。

 

また、私自身一度離れた顧客から、何年も経ってからお声がけをいただき再度購入していただくということを幾度となく経験してきました。

 

若手のスタッフからは、突然湧いたように出て来るそんな話を不思議に思われていました。遠方の顧客からもなぜかお声がかかるからです。しかしながら、この再接触は偶然の産物ではなく、緻密に設計されたフォローアップのシステムの成果であると言えます。

 

実は、情報のストック化を行い適切な管理ができるようになると、営業として重要な「鼻が利く」ようになります。営業の嗅覚能力が格段に向上するのです。この嗅覚能力はフロー型営業にも当然効果を発揮する極めて重要な能力です。

 

そして、情報のストック化には戦略的な視点が不可欠ですが、これを一概に「これが正しい」と断言するのは難しく、業種・業界、市場、顧客の特性を熟知した上で、自社のリソースと結果を照らし合わせながら、効率と効果のバランスをとり、最適な線引きを見つけていく必要があります。

 

そして、この線引きである基準がなければ、いたずらに無駄な情報を抱えることになり、結果非効率になります。しかしながら、捨ててはいけない情報を捨ててしまっては元も子もありません。

 

営業活動においては、情報の扱い方は極めて重要であり、長期的な戦略のもとで顧客情報の管理をしていく必要があります。どんな情報をストック化するかについては、ここで詳細は触れませんが、中長期的な視点で「情報のストック化」を戦略的に行う必要があります。

 

我々が提唱する「ストック型営業」では、このように中長期的な視点での営業活動の仕組みの構築を目指します。目の前の成果だけでなく、将来的な成功を見越した戦略を取り入れ、これまでの経験とクライアントからのフィードバックに基づいて、布石となる仕組みを提案しています。

 

もちろん、この全ては新規顧客の獲得という基本的な前提の上に成り立っています。我々はこの点に関しても、具体的な仕組みをご提供しています。

 

さらに、目先の受注を追うだけでなく、先行受注を積み増すことを主眼としており、「ストック型営業」を独自に発展させています。単なる予約ではなく「先行受注」を積み増す戦略を提案しています。

 

貴社でも「ストック型営業」の力を導入し、飛躍的な成長を実現させてみませんか?

 

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