第4話:「顧客心理」

 

「南澤さん、長年取引していた会社から突然契約の更新を打ち切られてしまいました。」この言葉は、先日クライアント企業の社長から聞かされたものです。

 

何が原因なのか詳しく話を聞いてみたところ、特に目立ったトラブルは存在しなかったとのこと。これまで毎年、当たり前のように契約を更新していたにも関わらず、今回は競合のB社に乗り換えてしまったようです。

 

このような経験はビジネス界では珍しくありません。多くのケースで、ただ「なんとなく」といった不明瞭な理由で顧客が流れてしまいます。

 

しかしながら、ただ「なんとなく」と言っても、その背後には様々な要因が存在している可能性があります。そして、その一歩が誤れば、大きな問題に発展する可能性もあります。

 

このような「乗り換え」の真因を究明するには、その根底にある理由を探らなければ解決策は見つかりません。

 

特に営業部隊が多い企業では、このような話は決して珍しくありません。しかも、原因を把握して特定するのは難しいのです。多くの営業担当者は「価格」が原因だと報告することが多いからです。

 

しかし、真実はそれだけではありません。確かに価格は重要ですが、それだけが全てではありません。手間や他の関連コストを総合的に考えれば、自社のオファーが最も有利であるはずです。

 

顧客が本当に求めているのは「価格以上の価値」です。結局のところ、顧客を「本質的な意味でのファン」にできなかった場合、その根底には営業活動そのものに問題があると言わざるを得ません。

 

「好きだから仕方ない」「今さらやめられない」という心理に働きかければ、顧客のロイヤルティを高めるチャンスがあります。つまり、自社の「本質的な意味でのファン」とすることで、顧客の離反を防げるはずです。さらに言うなら、単純に「乗り換えるのは面倒」という心理が働けば、顧客の流出を防ぐことができる場合も実は多くあります。

 

ただし、顧客の心をつかみ自社のファンにするためには、それなりの時間と努力が必要です。短期的にはこの「切り替えが面倒」という顧客心理を活用しますが、あくまでそれは一時的な手段です。中長期的には、「好きだから仕方ない」「今さらやめられない」と感じさせるような「本物のファン」つくる戦略が最も効果的です。

 

「ストック型営業」では、仕組みによって顧客との関係性を強化することで、自社のファンとしていきます。顧客を長期的に確保する「ストック型営業」は、業種や業界を問わず、普遍的な有効性があります。

 

貴社も「ストック型営業の戦略」採用し、自社のファンを増やし、ビジネスを拡大してみませんか?