◆第111話:わずかなタイミングが結果を変える ~判断と行動の“ほんの少し”の差が成果を左右する~

  

「南澤さん、ほんの少しのタイミングの違いで、本当に命拾いしました…」ーーーこれは、突然の体調不良で倒れ、救急搬送されたある経営者の言葉です。

 

医師から「あと10分遅れていたら危なかった」と告げられたとき、本人はもちろん、周囲も“わずかな差”の重みを痛感したそうです。まさに、「10分の違いが生死を分けた」瞬間でした。

 

このような話は決して特別ではありません。日常の中でも、“タイミングの差”が大きな結果の違いを生むことがあります。

 

たとえば、雷が鳴り始めたときに早めにゴルフを切り上げたことで難を逃れる人もいれば、「もう少しだけ」と粘った結果、危険な目に遭う人もいます。わずかな判断の差が、運命を変えることさえあるのです。

 

「10分の差」が成果を左右する

ビジネスの世界でも、この“10分の差”はしばしば結果を分けます。

 

営業で10分早く電話をしたことで受注につながった例があれば、逆に10分遅れたことで他社に契約を取られてしまうこともあります。

 

クレーム対応でも同じです。早めに連絡し誠実に対応すれば信頼を得られますが、後回しにした結果、信用を失うことも少なくありません。

 

ほんの数分のためらいが、信頼を損ねることもある。判断を迷うそのわずかな時間が、成果の行方を変えるのです。だからこそ“判断の速さ”は能力の一部なのです。「たかが10分」「されど10分」。この意識の差が成果を左右するのです。

 

お昼よりも優先した“1本の電話”

南澤自身も、営業時代に“タイミング”の大切さを痛感した経験があります。当時のことは今でも鮮明に覚えています。昼食を買いに出た“ほんの数分”の間に、取引先から電話が入ったのです。

 

電話を受けたスタッフは、『昼食を買いに出ています』と正直に伝えてくれたのです。事務所に戻るとすぐに折り返しをし、「昼食を買いに行っており、ご不便をおかけしました」と伝えたところ、相手は笑いながらこう言いました。

 

「お昼、まだ食べてないんですか? すぐ電話くれるなんて、ありがたいですね」

そのわずかな行動がきっかけで商談が一気に進み、結果的に受注につながりました。

お昼を優先していれば、このチャンスはなかったかもしれません。

つまり、“わずか数分の判断”が信頼関係をつくり、成果に結びついたのです。

 

タイミングを逃さない人の共通点

タイミングを逃さない人には、いくつかの共通点があります。

1.準備ができている人:偶然を必然に変える力を持つ。

2.観察力・感度が高い人:相手や状況の変化を察知できる。

3.迷いが少ない人:決断に時間をかけすぎない。

 

つまり、チャンスをつかむ人は“反射神経”のように判断を即行動に移すのです。

ビジネスでは「正確さ」よりも「速さ」が価値を生む場面が多々あります。

 

一方で、タイミングを逃す人には「もう少し考えよう」「完璧に準備してから動こう」という心理が働いています。

 

しかし、現場では完璧を待つうちに、チャンスが過ぎ去ってしまうことが多いのです。慎重さは大切ですが、過度な慎重さは“行動しない言い訳”に変わります。

 

小さなためらいが、大きな差を生むことがあります。「もう少し様子を見よう」という判断が、後から大きな後悔につながることも少なくありません。

 

経験よりも“準備の習慣”が差をつくる

決断の瞬発力を高めるには経験が必要ですが、若手でもできることがあります。それは、「手が空いたときに何をするか」あらかじめ決めておくことです。

 

手が空いた瞬間に「何をしようかな」と考える時間ほどムダなものはありません。

 

その“考えている時間”こそが、タイミングのズレを生むのです。仕事ができる人は、常に次の行動を決めており、思考の“待機時間”がありません。

 

行動が早い人は、決して焦っているわけではなく、迷っていないのです。そして、こうした小さな判断の積み重ねが、結果として“機敏な組織文化”を生み出します。

 

偶然ではなく、必然のタイミングをつくる

成果を上げる人は、「たまたまうまくいった」のではなく、日々の準備によって“必然のタイミング”をつくっています。

 

成功する人ほど、準備が整っている。

準備と行動の積み重ねが、偶然の好機を“必然”に変えていく。

「運の良さ」とは、タイミングをつかむ準備ができている人のこと。

 

科学者パスツールの言葉に「チャンスは準備された心に訪れる」とあります。

つまり、幸運を呼び込むのは“準備された人”です。

 

タイミングを制するには、スピードだけでなく、日々の備えと観察力が不可欠です。

そして何より、迷わず動ける“心の準備”が整っているかどうか。この違いこそが、結果を大きく分けるのです。

 

貴社では、ほんの少しのタイミングを大切にするスタッフが育っていますか?

その“わずかな差”を生み出す仕組みが、次の成果を引き寄せるかもしれません。

著:南澤博史

 

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