「南澤さん、実は社内でこんな提案があって、部長の話だと来年になったら本格的に話合うために準備委員会を立ち上げるようです・・・」
―――これは先日、クライアントである社長から聞いた言葉です。
いったいどのような提案なのかということは、ここではあえて触れませんが、このような「来年には」といった先送りの考え方、多くの企業でよく耳にするのではないでしょうか?
これは「あと数か月しかない、だから急がなくては」と考えるか「まだ数か月ある、大丈夫」と考えるかによって、大きく分かれます。
特にビジネスの現場でよく見られるこの二つの考え方には、それぞれ長短があります。ただ、一般的には前者の「急がなくては」の姿勢が積極的に評価されます。とはいえ、多くの場合、後者の「大丈夫」の思考が支配的です。本来、圧倒的に大切なはずの「急がなくては」という考えよりも、実際にはまだ「大丈夫」という考えが優位に働いているのです。
特に組織内で複数人の協力が必要なプロジェクトや、複雑な手続きが必要な場合、人は「まだ時間がある」と安易に考えがちです。その結果、何も進まず時間だけがただ過ぎていく・・・これは決して珍しい話ではありません。
つまり、このような先延ばしを防ぐためには、強いリーダーシップが不可欠です。冒頭の話であれば、準備委員会などは即座に立ち上げるべきです。無駄に先延ばしすると、結局何も成し遂げられないであっという間にもう一年・・・年が明けてしまう可能性が高いのです。
来年になったらやろうとか、4月になったらやろうという場合においては、ただなんとなくきりがよいという場合も多く、それが罪悪感をなくすのか、なぜか許され先延ばしになります。
あと数か月しかない、と考えて一気に社内の仕組みを変えられるか、変えられないかは視点次第です。営業の世界であれば、視点を変えることであらゆる場面で前倒しの行動がとれるようになります。視点を変えるだけで驚くほどに行動が変わるのです。
このような視点は、ストック型営業の先行受注の考え方に通じるものですが、それはまたの機会にお話します。
実は、会社においてはなかなか進まないような新たな仕組みづくりも、コンサルタントを導入することで驚くほどに進みます。体系化されたステップを踏んだコンサルティングであれば、先延ばしにすることなく否応なしに仕組みづくりを進めることができるようになります。
貴社も限られた時間を有効に使い、社内の仕組みを大きく変えてみませんか?