
「南澤さん、なぜあの人は、同じ景色を見ているはずなのに、いつも先に気づけるのでしょうか…」ーーーこれは、業績が大きく落ち込んでいるわけではないものの、「何かが少しずつズレ始めている」と感じていた、ある経営者の一言でした。
数字は極端に悪くない。
売上も前年並み。
大きなトラブルも起きていない。
それでも、「このままで大丈夫なのか?」という違和感だけが消えない。
南澤は、この感覚こそが重要だと考えています。
ビジネスにおいては、スピードが成果を左右する場面が少なくありません。
そして、そのスピードの源泉になるのが、「変化に早く気づけるかどうか」です。
最近、南澤自身がふと気づいた変化があります。
それは、街中で見かけるナンバープレートの「17」が、やけに増えているということです。
最初は、正直なところ偶然だと思いました。
しかし、一度気になり始めると、やたらと目に入る。
「これは、たまたまではないな」
そう感じるようになりました。
皆さんは、「17」と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか。
―――そうです。
大谷翔平選手の背番号です。
もちろん、すべての人がその理由で選んでいるわけではありません。
ただ、これまでの経験上、「830」「178」など、いわゆる“推し番号”をナンバープレートに取り入れる方は、決して少なくありません。
もっとも、南澤がこの変化に気づけたのは、特別な能力があったからではありません。
もともと「ナンバープレートに目がいくアンテナ」を立てていただけです。
要するに、能力の差ではなく、アンテナの張り方の差なのです。
同じ景色を見ていても、何を感じ取るかは人それぞれです。
たとえば、電車の車窓から見える富士山。
・いつも見慣れた景色として何も感じない人
・毎回「今日はきれいだな」と感じる人
・雪の量や輪郭の変化に気づく人
・季節や天候による見え方の違いを感じ取る人
同じ富士山を見ていても、拾っている情報はまったく違います。
環境の変化に気づく人が、特別なものを見ているわけではありません。
見ている景色は、実は誰もが同じです。
違いがあるとすれば、
どこにアンテナを立てているか、それだけなのです。
「最近、シュークリームが流行っているらしい」
そう聞いた瞬間から、不思議とシュークリーム店が目に入るようになる。
今までも存在していたはずなのに、アンテナが立った途端、世界の見え方が変わる。
これは、日常に限った話ではありません。
ビジネスの現場でも同じことが起きています。
営業の世界では、この差がそのまま成果の差になります。
普通の営業と、トップセールスの違い。
南澤は、その本質はアンテナの感度にあると感じています。
同じ商談、同じ会話をしているように見えても、
トップセールスは「拾う情報」が違います。
たとえば、お客様の何気ない一言。
「最近、遠くに出かけることが増えてね」
この言葉を、
「ああ、そうなんですね」で終わらせる人もいれば、
「生活スタイルが変わったのでは?」と反応する人もいる。
後者は、そこから次の提案につなげていきます。
アンテナの張り方ひとつで、結果は確実に変わるのです。
これは営業に限った話ではありません。
南澤がこれまで多くの現場を見てきて感じるのは、
アンテナが立っていない人ほど、「結論」だけを早く欲しがるという点です。
「最近、客層は変わっていますか?」
この質問に対して、
「特に変わっていません」と即答される。
数字を見ても、前年同月比は横ばい。
売上、件数、単価も大きな変化はない。
そこで思考が止まってしまう。
しかし、丁寧に話を聞いていくと、実は―――
・来店時間が少しずつ遅くなっている
・問い合わせ内容が以前より具体的になっている
・「すぐには買わないが、何度も相談に来る人」が増えている
こうした小さな変化が、確実に起きていることは少なくありません。
ところが、アンテナが立っていないと、
「まだ結果に出ていないから」と言って、見ないようにしてしまう。
思考はこうなります。
・結論(売上・数字) → 変化なし
本来あるべきは、
・変化 → 仮説 → 次の一手
南澤は、この違いが、後になって大きな差になると感じています。
アンテナが立っている人は、
「結果が出る前の違和感」を拾います。
一方で、アンテナが立っていないと、
残念ながら、必要な情報は目に入ってきません。
ただし、ここで誤解してほしくないのは、
アンテナは才能ではない、ということです。
アンテナは、意識すれば誰でも立てることができます。
さらに言えば、
トップセールスが無意識にやっているアンテナの張り方も、
仕組みによって、普通の営業が再現できるようになります。
日々の違和感を言語化する機会があるか。
小さな変化を共有できる場があるか。
結果が出る前の仮説を歓迎する文化があるか。
こうした積み重ねも、組織全体のアンテナ感度を高めていきます。
貴社には、
「アンテナが自然と立つ人材」を育てる仕組みがありますか?
それとも、結果が出てから動く文化が根づいていないでしょうか。
小さな違和感に目を向けること。
そこから、次の一手は始まっています。
著:南澤博史
◆音声でお楽しみいただけるポッドキャストのご案内
▶ ポッドキャストはこちらから(※Spotifyアプリが必要になります)
→ https://open.spotify.com/episode/4ibRfyQ9m6sPqqWc2sUHjy?si=UNYU8CQVR12xVFtOm7dr3Q
